成年後見(任意後見を除く)の制度を利用すれば,
判断能力が衰えていることから生じる,
不利な契約,不要な契約などから,本人を保護することができます。
①:一番重い「後見」であれば,日常生活に必要な行為「以外」は,
取り消すこと(無効にすること)ができます。
②:次に重い「保佐」であれば,重要な財産管理行為については,
取り消すこと(無効にすること)ができます。
③:一番軽い「補助」は,「裁判所が決定した」行為の範囲内で,
取り消すこと(無効にすること)ができます。
世間で言う,詐欺・強迫などを理由に取り消しを主張する場合,
取消しを主張する被害者側が,詐欺・強迫の証明する必要があります。
(クーリング・オフの場合は,証明する必要がありません。)
消費者契約法,特定商取引法に基づく,取消しについても,
被害者側が,取消し理由を証明する必要があります。
証明することについて,実務上は困難なことが多いのです。
しかし,成年後見制度(任意後見を除く)を利用していると,理由を証明する必要はなく,
その行為が,重要な財産管理行為(後見・保佐の場合)に該当すれば,
それだけで取り消すことができるのです。
取引の相手方が,成年後見制度を利用していることについて,
知っているかどうかは,関係ありません。
取引の相手方よりも,成年後見制度を利用している「本人」を保護する,
というのが,法律の趣旨です。
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